郷原信郎弁護士の話
東芝の利益水増し問題は企業統治(コーポレートガバナンス)の問題だが、同じくらい監査法人の問題でもある。第三者委員会の報告書では、(東芝の監査を担当している)新日本監査法人の監査が妥当であったかは判断しておらず、理解に苦しむ。
オリンパスの事件のように、昔の損失を意図的に隠している場合、見つけるのは難しいが、今回は日常的に繰り返されていた問題で、監査法人が何も気づかなかったとは考えにくいからだ。新日本は(会計問題が起きた)IHIやオリンパスも担当していたのに反省が見られない。
利益追求は企業として一般的な行為なのだから、会計問題で最も歯止めになるべきは監査法人だ。社内の監査委員会はあくまで企業統治の機能の一つで、こうした問題にストップをかけられるとは思えない。