東芝の不正会計問題で調査報告書を提出した第三者委員会(委員長・上田広一元東京高検検事長)は21日会見した。同日の会見で田中久雄社長が「指示したという認識はない」と述べたことについて上田委員長は、「調査委員会が2カ月間で集めたデータを総合して事実を認定した。報告書の通りだ」と調査内容に自信を示した。
「不適切会計」という会社側の言葉を踏襲したことについては、「担当者が会計知識を間違えていたり、違法の認識がないケースもかなりあった。協議の末、『不適切』という表現にした」と述べた。
社内の監査委員会が機能していなかったことについては、社内の財務責任者を経験した人材が委員長を務めてきたことを背景に挙げた。
監査を担当した新日本監査法人の責任を追及しなかった点について、公認会計士の山田和保氏委員は「我々の目的はあくまで、東芝の事実関係を究明すること。公認会計士協会などが別途調査しなければ。公平な評価はできない」と強調した。