≪Q&A≫
3年以内に旅館業を起業
--これからの事業展開は
「『aeru house(和えるハウス)』という和えるの世界観を表現した旅館業を3年以内に手掛けてみたい。高級店では未就学児を連れていると宿泊を断られることもあるが、当社は受け入れる。その地域を熟知したコンシェルジュが宿泊客の要望に合わせてきめ細かくコーディネートする。例えば畑仕事をしたいといわれれば、すぐに地元の農家の協力を取り付けて対応する。食事も米や野菜などの食材はすべて地元産品を使用する。地域の魅力を堪能してもらい、ファンを増やすことで地域興しに貢献する」
--どうやって伝統産業の職人を育成するのか
「伝統産業の職人は低所得にあえいでいる。せっかく職人を志して専門学校などで技術を身につけても、生活ができずにものづくりから離れて、会社勤めをしている人は多い。せめて世間のサラリーマン並みの収入を得られるようにしないと、日本の伝統産業は絶滅してしまう。そのために認知度を高め、伝統工芸品の普及を図ることで仕事を増やしたい」
--海外へのアピールは
「外国人向けには、自社のホームページの英語版で売り込んでいる。このため、東京・目黒の直営店には口コミで来店する欧米人や中国人が少しずつ増えている。11月には京都に京町家を活用した2店舗目の直営店をオープンする。大勢の観光客が訪れる古都で、日本の伝統産業の魅力を国内外の人に発信したい」
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【プロフィル】矢島里佳
やじま・りか 慶大院修了。2011年3月和えるを設立し、現職。26歳。東京都出身。
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【会社概要】和える
▽本社=東京都港区西麻布3-5-2
▽設立=2011年3月
▽資本金=500万円
▽従業員=4人
▽事業内容=日本の伝統産業の技術を用いた商品の企画、開発、販売など