世代を超えて愛用
画期的な商品のアイデアは、矢島社長が自ら考案し、和えるの趣旨に賛同しているデザイナーと一緒に具現化する。その上で職人に制作を依頼する。
顧客は20代から高齢者まで幅広い。子供や孫のために買う人が多いが、最近は自分や家族で使うための購入も増えている。「子供が使うものは、実はユニバーサルデザインに近い。このため大人が酒を飲むときのぐいのみとしてコップを、また器は高齢者の食事用としても活用されている」と世代を超えて愛用されている。
伝統産業に携わる職人は高齢化が進み、後継者難で次世代への継承が危ぶまれている。それに対し和えるが提携している職人の平均年齢は30代で、今後も事業を数十年にわたり継続していける。和えるから仕事を受注したことによって売り上げが増えた工房もある。新たな雇用が創出され、後継者育成にもつながっている。
「今後ますますグローバル化が進んでいき、経済大国から文化経済大国に脱皮する好機だ」と捉え、伝統産業活性化による日本の近未来像を思い描いている。(佐竹一秀)