もうひとつが、強い開発意欲を持ったベンチャーたちが集まり、交流できるコミュニティ機能だ。アニメドールのトロフィー制作で、3Dデザインを担当した吉田氏は「ここにはいろいろなプロたちがいる。彼らとコミュニケーションを取りながら、モノ作りに昇華させていける」と指摘する。
DMM.com AKIBAに拠点を置いたベンチャーには、高価になりがちな筋電義手を、3Dプリンターを使ってパーツを制作し、スマートフォンの技術も取り入れリーズナブルな価格で製造し、世の中に送り出す事業に組んでいるexiiiがある。ここで考案された「handiii」は、今年2月に開催された第18回文化庁メディア芸術祭でエンターテインメント部門の優秀賞に輝き、将来性を期待させた。
Cerevoなど先駆者たちが活躍し、メンバーとなった企業が成果を出していくことで、モノ作りに意欲を持ったグループや企業が集まってくる。法律や財務といった面をコンサルティングし、資金面でも後押しできる仕組みも添えることで、優れたアイデアや高い意欲を持った人たちが、それを続々と形にしていける。
遠くない将来、モノ作り大国・日本は秋葉原から生まれたと言われるようになるかもしれない。