単純な標準化は所詮ドイツ戦略に迎合することを意味し結果として敵を利する。後れを取り戻すための標準化は不可避だが、その先を見据えた戦略が必要だ。
メガサプライヤーを追求する必要はないが、統合システムを開発・提案できるサプライヤーを配下に育成しなければ、欧州勢に市場を囲い込まれてしまう。その意味で、米国、日本、東南アジアを地域的に網羅し、トヨタ主導で統合システムの開発を進めることは長期戦略上不可欠だろう。
ただし、規模を追うだけでは危険だ。最近ではホンダのハイブリッド車やタカタ製エアバッグなど品質問題がクローズアップされている。ソフトウエア領域が拡大し、モジュールで部品共通化が著しく進展する未来の調達構造の中で、高度な品質を保証していくことは容易ではないだろう。