ホンダは17日、初の量販モデルとなる新型燃料電池車(FCV)のコンセプトカー「ホンダFCVコンセプト」を初公開。18日には、トヨタ自動車も新型FCV「ミライ」を発表する。走行時に二酸化炭素や排ガスを出さない燃料電池車(FCV)は、水素を生活や企業活動に利用する「水素社会」の牽(けん)引(いん)役と期待される。政府も2020(平成32)年東京五輪に向け、新たな産業にしようとバックアップする。ただ、普及には価格や品質確保など課題は多い。
「ホンダはFCVのリーディングカンパニー。水素社会の一翼を担う技術開発にチャレンジし続ける」
伊東孝紳社長は新コンセプトカーを前に力強く語った。FCVは、充電に時間がかかる電気自動車(EV)と違って水素タンクの充填は数分ほど。航続距離も長く、“エコカーの本命”と目される。各国で環境規制が強化される中、国内外のメーカーが開発を急いでいる。
エネルギーの大半を化石燃料に依存する日本にとって水素は新たな選択肢を提供する。経済産業省は「FCVは日本が世界の最先端を走っている」と指摘。政府は成長戦略に水素社会の実現を盛り込み、FCVの購入補助や、水素を補給する水素ステーションの整備などを推進している。