三井住友信託銀行は台湾の金融大手、中国信託金融ホールディングと月内に包括提携する。日本やアジアで取引先企業の相互紹介や協調融資などを行う。成長著しいアジアで金融ネットワークを強化し、海外収益の拡大を狙う。
三井住友信託は取引先の日本企業がアジア進出などで現地通貨を調達する際、中国信託を紹介する。また、中国信託の取引先のアジア企業が大規模な資金調達する際には協調融資も行い、アジアでの取引先の開拓につなげる。
個人向けでも金融商品の開発で協業する。台湾や東南アジア向けの投資信託を共同開発する。
両社は2年前に不動産事業で提携し、三井住友信託が台湾の富裕層に首都圏の高級マンションなどを投資物件として紹介している。
三井住友信託は平成28年度に海外企業向けの融資残高を25年度比で4割増やす計画。27年にはタイに現地法人を立ち上げる。インドでも現地財閥が設立する新銀行への出資を予定する。
中国信託は6月、東京スター銀行の全株式を取得し、外銀による初の邦銀買収となったほか、地方銀行との提携も広げている。