武田薬品工業は16日、ミドリムシ関連の食品などを事業化している有力ベンチャー企業の「ユーグレナ」と包括提携したと発表した。ミドリムシを活用した医薬品や健康食品などを幅広く共同開発していく。第一弾としてサプリメント「緑の習慣」の通信販売を開始し、健康食品事業に本格参入。今年度は1億3千万円の売り上げを目指す。
動物のような性質も持つ微細な藻類、ミドリムシはユーグレナの和名。ビタミンやミネラルなど59種の栄養素を含み、健康食品やバイオ燃料などへの活用が期待されている。
ユーグレナ社は、ミドリムシの屋外での大量培養技術を平成17年に確立。これを用いたさまざまな事業化に取り組み、注目されている。両社は今後、ユーグレナ特有の食物繊維「パラミロン」を使った世界初の一般用医薬品などの共同開発を検討する。
武田薬品の杉本雅史ヘルスケアカンパニープレジデントは、「高い可能性を持つ素材だ。顧客のニーズをとらえた上で研究開発を進める」と述べた。
一方、ユーグレナの出雲充社長は、「1社では大きなことはできないが、武田と一緒に(研究開発に)取り組んでいく」と語った。