日本の新幹線輸出に弾みをつけようと、JRグループなどでつくる国際高速鉄道協会(IHRA)とJR東海、JR西日本、JR九州は22日、東京都内で高速鉄道国際会議を開いた。今月1日に東海道新幹線が開業50年を迎えたが、半世紀にわたり乗客の死傷者ゼロという高い安全性などを武器に、世界の高速鉄道計画で新幹線や超電導リニア技術の採用をアピールした。
「50年かけて磨き上げ、改善してきた新幹線は単なる高速鉄道ではなく、皆さんの国の経済や社会、生活スタイルに変革をもたらす交通システムだ」。IHRAの宿利正史理事長(元国土交通事務次官)は基調講演でこう訴えた。会議にはJRグループなど日本の関係者のほかに、高速鉄道計画がある米国や豪州、マレーシア、インドなど海外からの約70人も合わせて約300人が参加した。
新幹線は乗客の死傷者ゼロに加え、平均遅延時間が1分未満という高い定時性も売りだ。会議では新幹線を運行する東海、西日本、東日本、九州のJR4社の幹部が高速化や所要時間短縮への取り組み、新幹線による経済効果を説明した。