カジュアル衣料「ユニクロ」を手がけるファーストリテイリングは10日、海外での人事制度を見直し、現地採用の社員に海外転勤のチャンスを与えて、世界展開の推進役とする方針を明らかにした。まず成長著しい中国、韓国から始め、他の国にも広げる。またブランド力を高めるため、新興国の民族衣装のデザインを取り入れることや、若手クリエイターを育成することにも意欲を示した。
ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が、フジサンケイビジネスアイのインタビューで明らかにした。同社は2020年8月期の「売上高5兆円」を目指して海外展開を進めており、「3年後には確実に、海外の業績が国内を上回る」(柳井氏)としている。
人事制度については、同社は国内の正社員に関し、海外転勤がある「G(グローバル)社員」、国内転勤はあるが海外転勤のない「N(ナショナル)社員」、転居のない勤務地限定の「R(リージョナル)社員」の3通りに分ける作業を進めている。
柳井氏は、この制度を海外でも取り入れると説明。「一定の事業規模がある中国や韓国から始める」と述べ、G社員は「ワールドワイド(世界規模)で能力を生かせるチャンスを与えたい」とした。将来的には「海外で採用した人が、本社の幹部に抜擢(ばってき)されることもありうる」と話した。