■4~9月、原料価格下落を反映
新日鉄住金など鉄鋼大手とトヨタ自動車が、今年度上期(4~9月)の自動車用鋼板価格について昨年度下期に比べ、1トン当たり3000円程度(約3%)の値下げで合意したことが21日、分かった。鉄鉱石や石炭などの原料価格が下落していることを反映した。
値下げは1年半ぶり。鉄鋼大手と自動車最大手の交渉は、他のメーカーの自動車用鋼板をはじめ、電機や造船などの鋼材価格の取引価格に影響を持つ。
鉄鉱石や石炭などの原料価格そのものは、資源メジャーの増産傾向もあり、低迷。中国など東アジアでの過剰供給が続いている一方で、中国での鋼材需要は落ち込んでおり、原料の国際価格は一層の下落基調を示している。今回の鋼板価格交渉では、鉄鋼側も原料価格低下による鋼板価格への反映部分を認識した上での交渉を続けていた。
ただ、国内のいわゆる“ひも付き”と呼ばれる自動車向けなどの鋼材需要は堅調。エネルギーコストの上昇なども相まって、鋼材コストは上昇傾向にある。10月から半年間の下期分の交渉では、コスト上昇を勘案した攻防になるとみられる。