25日に就任半年を迎えるNHKの籾井勝人(もみい・かつと)会長(71)は23日、産経新聞のインタビューに応じ、テレビ番組を放送と同時にインターネットで提供する「同時再送信」について「世の中の趨勢(すうせい)であり、遅くとも2020年東京五輪までには環境整備をしなければならない」と意欲を示した。
同時再送信には放送法の改正や受信料制度の見直しなど課題が多いが、籾井会長は今秋策定する次期3カ年経営計画でNHKとしての道筋をつける考え。「コストもかかり、ただではできない」とも述べ、ネットでの番組視聴者に負担を求める方針も明らかにした。
受信料については、東京五輪での次世代放送開始や東京・渋谷の放送センター建て替えなどで必要となる多額の設備投資を「現在の受信料でまかなっていきたい」と述べ、再値下げの考えがないことを表明。建て替え予定地は今年度内に決める方針という。
週刊誌などが番組への政治介入など籾井会長を批判していることについては「書いてあることのほとんどは正しくない。こちらが大騒ぎしても、(週刊誌の)見出しが派手になるだけだ」と不快感を示した。