国内の化粧品大手が、特定の小売り向けの限定商品やプライベートブランド(PB、自主企画)商品の開発に力を入れている。強い販売力を持つ有力小売り向け以外にも、美容意識の高い顧客を狙った有名サロン用のPBも登場。4月の消費税率の引き上げで消費者のニーズがさらに細分化するとみられ、各社とも販路拡大を急いでいる。
コーセーが3日発表した「雪肌粋(せっきすい)」は、9日からコンビニエンスストア最大手のセブン-イレブンで限定販売する美白スキンケアブランドだ。2004年に発売した同ブランドのリニューアルで、今回は新たに1本で美容液やファンデーションを兼ねるBBクリームを追加。主力のスキンケアブランド「雪肌精(せっきせい)」よりも小容量で、価格も5割以上安い756~1296円に設定した。「旅行先で忘れたときなど手軽に購入できる商品」(担当者)として売り込む。
同社は2月にドラッグストア最大手マツモトキヨシホールディングス(HD)と共同開発したPB化粧品「インストリーム ナイトシールド ジェル」(4320円)を発売。売り上げが当初計画の約2倍で推移するなど好調なこともあり、有力小売りとの関係強化で店頭の陳列スペース確保に向けた動きを活発化している。