異業種と連携
これにより、かつて抗議を受けた工場で建材ボードの製品化にこぎ着けた。佐藤氏は入社2年目を迎える直前だった。
しかし、なかなか応用製品の開発は進まなかった。苦悩の毎日が続く中、たまたま別の案件で出席した会議で営業課長が興味を示した。畳メーカーを紹介され「お茶入り畳 さらり畳」を製品化した。
これを機に異業種と組んで、抗菌性、消臭生、香りといったカテキン機能を生かした製品の企画が広がった。その一つが日油と共同開発した茶配合樹脂。プランターやベンチなどさまざまな樹脂領域で展開が可能になった。次に取り組んだのが紙。茶殻を小さくしながら繊維化することでペーパーナプキンなどの薄い紙でも作れるようになった。建材やボードなど応用製品は増え、パートナーも150社に達する。佐藤氏は「新規の開発領域や日本の技術力を世界に示すため海外展開を図っていきたい」と意気込む。(平尾孝)