「100円マック」などの低価格商品で客数を増やし、高単価商品のキャンペーンで売上高全体を伸ばす-。それが04年の社長就任以来、8期連続で既存店売上高を上げた“原田マジック”の黄金パターンだった。
しかし12年後半、季節限定商品の削減が裏目に出た。さらにハンバーガーなどの定番商品を値上げした13年5月の価格改定が、客離れに拍車をかけた。
この間にコンビニ各社は、手ごろな価格のドリップコーヒーで集客し、サンドイッチなどの拡販につなげる戦略が奏功。全国の店舗数は5万を突破し、「業界の枠を超えてファストフードの客を奪いたい」(大手コンビニ幹部)と攻勢を強める。
巻き返しを狙うカサノバ氏が打ち出したのは、家族連れの集客力を向上させることだ。今期は既存店への設備投資費を倍増させ、子供向け遊戯設備の新設や入れ替えを進める。家族客が多い店舗には、トレーを運ぶなどのサービスを専門にする店員を新たに配置し、小さな子供を連れた親の来店を促す。カサノバ氏は宅配サービスの強化なども挙げ、「どんな顧客に対しても最適な価格と価値を提供したい」と意気込む。