リニア計画で出遅れた関西財界 悔やむ戦略ミス…JR東海は独自路線貫く (5/6ページ)

2014.1.10 06:20

リニア中央新幹線の大阪同時開業を求めて関西財界などが開いた決起大会=平成25年12月、大阪市内

リニア中央新幹線の大阪同時開業を求めて関西財界などが開いた決起大会=平成25年12月、大阪市内【拡大】

 中部は「大阪開通が遠いほど良い」

 JR東海は昭和62年の発足後、関経連や大阪商工会議所、関西経済同友会、京都商工会議所など関西の経済団体に相次いで加入、関西財界に足がかりをつくった。昭和63年、大阪商工会議所は副会頭がトップの「建設促進懇談会」を設置。当時、リニア計画はまだ夢物語で「JR東海は意気に感じ、大商の活動に積極的に取り組んでくれた」(大商関係者)という。

 ただその後、次第に活動は低迷。現在は関経連や関西経済同友会では委員会に所属せず、実質的な活動はほとんどない。関西財界側も、JR東海への接触は少なかった。評論家で徳島文理大教授の八幡和郎氏は「関西財界はリニアにどう取り組むか、JR東海や国と対話をしてこなかった。反省が必要だ」と手厳しい。

 JR東海の計画発表から6年間、財界でまとまった活動がなかったことも痛手だ。関西財界関係者は、「現実味がなかった。民間企業の事業に、要望活動をするのは変という感覚もあったのでは」と話す。関西側は巻き返しを図る構えだが、先行きは不透明だ。

「大阪までの開通は遅くなるほどいい。その間に大阪を抜く」

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