東海道新幹線の最新型「N700A」車両と同じ最新機能を主力の「N700」車両にも搭載する改造工事の様子が21日、JR東海浜松工場(浜松市)で報道各社に公開された。
制動力を約15%向上させるブレーキディスク、地震発生時に非常ブレーキがより早く作動するシステムへ改造するほか、ダイヤが乱れた際に遅延を早期に回復させる走行装置を搭載する。このほか1編成当たり1万超の部品を取り付ける。
この日はブレーキを取り換えた台車に車体を合体させる作業が公開された。大型クレーンでつるした白地に青いラインの車体をゆっくりと下ろし、作業員が下に潜り込み微調整しながら台車に組み合わせた。改造後の車体側面には「N700A」のロゴが貼り付けられた。
「N700」は平成19(2007)年に登場、28年春までに全80編成がこの改造を予定しており、総費用は約230億円に上る。改造は「N700A」を新しく発注するより、コストを大幅にカットできるという。今年2月にデビューした「N700A」は現在9編成が運行、平成29(2017)年春には計31編成となる予定。