これに対応するサービスを開発したのが富士通エフサス。放射線量を定期的に自動測定し、ネットワーク経由で提供している。太陽光パネルを搭載しており、屋外など電源のないところでの利用も可能だ。
放射性物質を除染した場所の放射線量の推移を管理したい自治体や、東日本大震災の被災地のがれきを受け入れた自治体、観光地や観光施設の放射線量を公開して観光客に安心感を与えたい自治体などの利用を想定している。
このうち福島県湯川村では12年12月、除染作業で除去した土や雑草を保管する「仮置き場」に、同社の計測機器を設置。13年1月から計測を開始した。
計測値を計測機器に搭載された液晶パネルにリアルタイムで表示しているほか、放射線量や位置情報などのデータを10分おきに蓄積している。データをサーバーに送信し、分析するオプションのサービスは外すことで導入コストを抑えた。
仮置き場の放射線量を正確に住民に伝えられるようになったことで、同村では「住民へ安心を提供するという意味では、これ以上のものはない。放射線についての問い合わせやクレームがないのがその証拠」と評価しているという。(米沢文)