高島屋の鈴木弘治社長は「ASEAN地域からの観光客が快適に買い物ができる環境を整える必要がある。シンガポールや上海の店舗と連携し、カードの相互利用や観光案内で日本への誘客につなげたい」と語る。
三越銀座店も10月にシンガポールドルやタイバーツなど8通貨に対応した自動両替機を設置した。同店では11月から英語と中国語に対応した店内の案内サービスを開始。12年9月の尖閣諸島(沖縄県石垣市)の国有化を機に激減した中国人観光客も復調しており、「中国富裕層の圧倒的な購買力」(広報)を取りこぼさないよう対応する。
現地でPR
来店をただ待つのではなく、海外での誘客に取り組む動きもある。ドン・キホーテは5年前に現地での誘客活動を始め、国内の外国人来店数は13年に500万人を超える見通しだ。独自の優待カードを国内外の提携旅行会社やホテルに配り、店舗周辺の飲食店などをまとめた英語、中国語、韓国語、タイ語の地図を年間約1000万部発行するといった工夫を重ねてきた。