もっと恐ろしいのは
しかし、こんなことで驚いている場合ではないのです。実は今回、2人は遠隔操作によるハッキング実験は行いませんでした。なぜか。理由を知ってビビりました。「もう、前に別の人が成功させちゃってるんだよね」。
そうなんです。実は一昨年、別の学者グループがブルートゥース(短距離無線通信技術)とネットのワイヤレス・ネットワークを使って、乗用車の車載コンピューターを外部からハッキングし、遠隔操作することに成功していたのです。
しかしこの学者グループは、社会に与える影響の大きさを考慮し、実験に関する詳細を現在まで一切公表していないといいます…。
最近の自動車は“走るコンピューター”といわれ、ブレーキやアクセル、ハンドルなどの操作が電子制御されています。そのため、プログラムの不具合による事故に加え、外部からのハッキングの危険性が指摘されてきました。それが見事に現実化している訳です。2人は、今回の実証実験に使ったハッキング用のソフトを8月はじめに米ラスベガスで開かれたハッカーの世界大会「デフコン」で公開しました。