ノール氏は欧米メディアに「われわれはあなたをスパイできる。SIMカードが記録するあなたの個人情報を盗み、勝手に読むことができるんだ」と豪語しました。
ノール氏によると、DESを採用したカードは現在も世界で30億台使われており、分析の結果、そのうち5億~7億5000万台が最も危険だといいます。
ノール氏は「自分の携帯が該当するか確認する方法はない。ハッキングされた利用者は、月末に届く請求書を見て、初めて気付くのだ」と警告。対策ソフトの配布の必要性を声高に訴えています。
ノール氏は7月末に米ネバダ州ラスベガスで開催されたセキュリティー会議で今回のハッキング実験の結果や問題点などを報告。これを受け、ITUのハマドゥン・トゥーレ事務局長は「(SIMカードにおける)サイバーセキュリティー上のリスクが露呈した」として各国に注意を促しました。
また、日本のNTTドコモやソフトバンクなど世界の通信会社約800社が加盟する業界団体「GSMA」も、今回の研究結果を重視し「問題の特定・研究を始める」と対策を講じる考えを示しました。