海外出張に憶測
最後に、5代目社長で技術顧問(フェロー)に就任した片山幹雄氏。
経営者としては株主総会で「いることが害だった」と痛烈に批判されたが、液晶技術では社内トップレベルの知識を誇り、液晶関連の特許を保有していることで知られる。こちらは無報酬の特別顧問と違い、規定に従って一定の報酬を受け取る技術顧問にとどまり、株主総会後に執務拠点を天理工場に移した。
社長を退き、代表権を返上した昨春以降、会長として米クアルコムや韓国サムスン電子との出資交渉をまとめ上げた功績を内外にアピール。
当時、海外担当副社長として片山氏の交渉の場に同席した高橋副社長。しかし、「(片山氏の)カバン持ち」「ハンコ持ち」のイメージが広がっていることに不快感を隠さず、現在は、記者が片山氏について質問すると「天理にパージ(追放)した」と苦々しく語るという。
片山氏は最近、社費を使って米国をはじめ海外出張によく出かけているという。技術顧問だけに名目は技術関連の視察や研究といったものになっているが、関係者の間では「何が目的かわからない。思い出旅行か、はたまた就職活動か」と憶測を呼んでいる。(松岡達郎)