その奥田会長の近況はどうだろう。奥田氏は“ゾンビ経営者”と批判されたわけではないが、社長在任中は前社長・元社長の影響力を排除できず、思ったほどの実績を残せなかった。
会長とはいえ代表権はなく、「経営に対し、ごちゃごちゃというつもりはない」と明言している。関係者は「業界団体の活動を引き受け、高橋社長の負担をなるべく肩代わりすることに腐心している」と打ち明ける。
最近は、地方の事業所や生産拠点を回って従業員を励ましたり、家電量販店など得意先を回ったりすることに時間を費やしており、高橋新体制を陰で支える黒衣役に徹している。
棒読みと沈黙
それでは特別顧問の2氏は-。
4代目社長の町田勝彦氏については、経営悪化の責任を踏まえ、一時は完全引退も検討されたが、大阪商工会議所の副会頭を兼任することから、「財界活動には会社の肩書が必要」と判断され、「相談役」を退くも、無報酬の「特別顧問」に就任した経緯がある。