各ホテルでは国際会議や展示会など需要の取り込みにも力を入れている。シェラトンマカオホテル内には、バスケットコート11個分の広さで約5000人を収容できる巨大宴会場を備える。「日本から自動車関連企業の1000人単位の報奨旅行などで利用があった」(平尾慎悟・MICE営業アシスタントディレクター)という。
マカオはカジノ関連の収益が3兆円を超え、米ラスベガスの5倍に達した。成功に倣い、フィリピンなど東南アジア各国がカジノを強化し、中国人観光客の呼び込みに躍起。マカオとしては新戦略で追撃をかわしたい考えだ。
漢方薬、環境保全…新たな“顔”模索
ポルトガル領時代をしのばせる建物群など世界遺産に指定された強力な観光資源に加え、高級リゾート化で世界からの観光客集めを狙うマカオだが、足元では日本からの集客に苦戦を強いられている。昨年発生した尖閣諸島(沖縄県石垣市)問題に関連した日中関係悪化の余波だ。マカオ政府観光局によると2013年1~4月累計の日本人旅行者数は、前年同期比29.9%減の9万6649人と大きく減少。従来、成田・関西両空港から毎日就航していたマカオ直行便が、現在は週4便まで減便している。