乾杯のあいさつに臨んだ佐治社長は、サントリーの社名にひっかけて、「3という数字はつくづく縁起がいい。三浦さんは5月23日に3度目のエベレスト登頂に成功した」と満面の笑顔をみせた。産経新聞の取材に対し、「私がずっと登ってきたのは経営という山。私にもまだまだやりたいことがいっぱいある」と、さらに高い「頂」に挑む意向を示した。
くしくも、サントリー食品の上場は7月3日だった。
佐治社長には苦い経験がある。平成22年2月、キリンホールディングスとの統合交渉が破談。実現すれば世界第5位の総合食品・酒類カンパニーになるはずだったが、サントリーが、新会社の株式の3分の1以上を寿不動産に持たせようとしたため、キリンが反発し、交渉は頓挫した。
サントリー食品の上場により、サントリーグループは約3900億円の資金を調達した。同業他社からは「その気になれば何でも買える。サントリーらしいうまいやり方だ」との声も上がる。