サントリーのように、「親会社は非上場だが子会社が上場」というケースは東証全体の約1%、わずか24件に過ぎない。しかも大半は時価総額が100億円未満で、サントリーのような大企業は極めてまれだ。
「なぜ、HDではなく、食品なんだ」
実際、株式市場関係者の間では、こんな驚きの声が上がったほどだ。
サントリーはオーナー企業として経営の自由度を保つことで、「株主の意向や思惑を気にすることなく、じっくりと長期戦略を立てられる」のが強みだった。ビール事業の黒字化に46年も費やすことができたのも、私企業だからこそだ。
子会社を上場させるという、サントリーの「親子逆転上場」について、有沢正一・岩井コスモ証券投資調査部副部長は「工夫して考えた答えだと思う。創業事業を大事にしつつ、グループとして成長戦略を描くための方策だ」と分析する。
「3は縁起がいい」
「人間、いくつになっても夢をあきらめなければ達成できる」。6月28日、80歳の世界最高齢で3度目のエベレスト登頂を果たした三浦雄一郎さんの祝賀会には、三浦さんと親交の深い佐治社長も姿をみせた。