ソフトバンク、スプリント買収7月手続き 次の焦点は「クリアワイヤ」 (2/4ページ)

2013.6.27 06:30

 完全子会社化が必須

 スプリントの買収をめぐっては、ソフトバンクが昨年10月に201億ドルで買収を発表。すると米衛星放送大手ディッシュ・ネットワークが4月に255億ドルで対抗し、激しい争奪戦に発展。最後はソフトバンクが買収額を積み増し、ディッシュは断念した。

 曲折の末にスプリント買収で勝利したソフトバンクだが、スプリント傘下のデータ通信会社クリアワイヤをめぐるスプリントとディッシュとの争奪戦は完全決着しているわけではない。

 現時点では買収額を引き上げたスプリントが有利だが、完全子会社化できなければソフトバンクのスプリント買収戦略は「成功といえない」(ソフトバンク関係者)。クリアワイヤはスプリント再建のみならず、ソフトバンクの「世界制覇」にも重要な役割を担うからだ。

 クリアワイヤが保有する周波数は160メガヘルツ幅と広い。日本ではNTTドコモの周波数が合計160メガヘルツ幅だ。大手携帯電話事業者並みの周波数を使った高速データ通信サービスはスプリントの顧客拡大に不可欠。ソフトバンクの孫正義社長は、スプリントを上位2社に対抗できる携帯会社に育てるために「クリアワイヤの周波数が大きな鍵を握る」としている。

完全子会社化にこだわるのは、スプリント再建のためだけではない

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