米携帯電話3位のスプリント・ネクステルは25日午前(現地時間)、本社がある米カンザス州で臨時株主総会を開き、ソフトバンクによる買収が議決権の98%の支持票を集めて承認された。近く米連邦通信委員会(FCC)の承認も得られる見通しで、7月上旬にも買収手続きが完了する見込みだ。ソフトバンクは巨大市場に足場を築くとともに、携帯電話事業の売上高で中国移動通信、米ベライゾン・ワイヤレスに次ぐ世界3位グループの一角に躍り出る。
買収総額は216億ドル(為替予約分を含め支払額は1兆8000億円)で、スプリントの株式78%を取得する。買収後の総契約数は約9700万件となり、国内首位のNTTドコモ(6100万件)を上回る。
しかし、米国市場では、首位のベライゾン、2位のAT&Tがそれぞれ1億件規模の契約数をもち、2社でシェア6割強を占めている。スプリントの契約数は約5500万件で、上位2社の半分程度にとどまる。
低料金路線で顧客を増やしてきたソフトバンクの参入によって競争激化は必至。しかし料金競争だけでは収益を悪化させかねず、高速データ通信やソフトバンクのインターネット関連事業のコンテンツ活用など複合的な顧客獲得戦略が急務となる。