コンビニ各社は近年、かつては低価格が売りだったPB商品の高品質化を競っており、金の食パンの好調さは「価格が高くても、おいしい物を食べたい人が増えている」(鎌田靖セブン-イレブン・ジャパン常務執行役員)ことを証明した形だ。
セブンは、品質にこだわった「セブンゴールド」シリーズを食パンやハンバーグなど現在の19品目から、15年度には300品目へと一気に拡大し、主婦やシニア層の来店を増やす戦略を推し進める。村田紀敏セブン&アイ・ホールディングス社長は「『価格より質』の勝負で、一店ずつの質を高めることが最終的な競争力につながる」と強調する。
セブンとローソン、ファミリーマートのコンビニ大手3社は12年度に計約3200店を国内で新たに出店し13年度も計約3900店を計画するなど過去最多の出店ペースを続ける。セブンは前年度比で約11%増の1500店の新規出店を計画。青森、沖縄、愛媛、高知、鳥取の5県が「空白県」だが、集中出店による優位を見込めるまでは急がない構えだ。