販売戦略も練りに練った。眼鏡を買うときは、店で時間をかけてレンズとフレームを選び、さらに加工のために何日かして来店しなければいけない。だが、それでは、「眼鏡を利用しない人は来店してくれない」(池川さん)。
そこで、最初は、眼鏡をかけない人にターゲットを絞り込み、度なしのパッケージ商品に限定した。価格を3990円に統一し、手に取ってそのままレジで買える気軽さを売りにした。
発売は、開発開始から約1年後の23年9月末。インターネットのブログを書いているIT業界のブロガーに情報発信してもらうと、ネット上で一気に評判が広がった。半年後には月間販売が数万本規模に達し、現在は120種ものパッケージ商品加え、度付きレンズや子供用も品ぞろえ。今年4月には累計販売が2百万本になり、大手企業が福利厚生で一括購入するケースも出てきた。
同社は、「JINS PCのヒットが大きな要因のひとつ」(中島さん)になり、25年8月期の業績予想を2度も上方修正した。