イオンは近年、SC全体が娯楽施設化したモール型商業施設の出店が目立つ。3月の「イオンモールつくば」(茨城県つくば市)、4月の「神戸ハーバーランドumie」(神戸市)、12月には、本社のある千葉市・幕張新都心に旗艦モールを完成させる。
心地よい時間を提供
イオンは心地よい時間を消費者に体験させ、リピーターを勝ち取る戦略で、その中心はSCだ。ライバルのセブン&アイ・ホールディングスがコンビニエンスストアの利便性に訴え、消費を喚起しているのと対照的だ。
イオンがこれまでに立ち上げた120超の大型モールには、仕掛けがふんだんに盛り込まれている。3月に開業した「イオンモールつくば」には、高級バイク「ハーレーダビッドソン」の専門店を出店。水戸市から来た男性(55)は「第2の人生をこいつと過ごせたら」と、約160万円のバイクを飽きずに眺める。施設の配置や天井の高さ、通路のカーブに至るまで利用客の心をくすぐるノウハウが結集されている。