IT(情報技術)を得意とする富士通とNECの2社の25年3月期連結決算は、構造改革のスピードの差が明暗を分けそうだ。
NECが26日に発表した決算は、大幅な営業増益となった。不振の半導体を切り離すなど不採算事業のリストラを急いだほか、スマホの普及に伴う基地局向け機器の需要に対応したことが寄与した。
富士通は半導体事業の再編に伴うリストラ関連費用が膨らみ、25年3月期予想では最終赤字に転落する。
電機業界の本格回復には何が必要か。SMBC日興証券の白石幸毅シニアアナリストは「業績回復がリストラや円安効果が中心では厳しい。円高是正といった追い風があるうちに、事業構造を見直すことが重要だ」と指摘している。