【開発物語】ドクターシーラボ「アクアコラーゲンゲル」 (2/8ページ)

　理念としたのは「肌に負担がなく、不要なものを与えない」という点だ。「無香料、無着色、無鉱物油」という基本はここから生まれた。「化粧水やクリーム、美容液などのステップを経ずに、一つで全部できないか」という視点は、いかにも男性的。だが、１度で化粧を終わらせることは、手間を省くだけでなく、肌への摩擦を少なくすることにつながるとの思いもあった。

　肌トラブルの根本的な原因が水分不足にあると分析した城野会長は、肌になるべく水分をとどめておける素材として、ゲルを選択した。クリームなどでは水と油を混ぜるために、肌に必ずしも良いとはいえない活性剤や乳化剤を使う必要があるが、不要なものを入れないという観点から、こうした成分を使わない点でもゲルは最適だった。

　しかし、理想の実現は難航を極めた。肌に良い成分だけを集めて作った試作品を試してもらった家族らから返ってきたのは「こんなもの、顔にはつけられない」という言葉。「最初はナスの漬物のような臭いがしたそうです」と市原さん。保湿はできるが、使用感も「ドロドロのベタベタ」という代物だったという。

　だが、成分の配合では一歩も譲らなかった。「肌に良い成分」という命題を抱えていたため、使える原料は限られた。城野会長は「同じ効果のある原料への差し替え、配合のバランスを変えることで、匂いや色を調整していった」と振り返る。

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