中央研究所に所属し、いつも白衣姿で化粧品の成分配合を研究している永田香織さん(29)は、ソムリエールの会議で、数社の化粧水を比較評価したところ、高級ブランドや高価な成分を配合した商品が、必ずしも高評価ではないことに驚いたという。
永田さんは「化粧品の品質は価格じゃない。処方のバランスが良いものが効果を発揮する」と実感したという。
このため、自社商品を評価する際も「使用感を決める処方を担当しているだけに、評価には神経を使う」と研究職のプライドをかけて臨んでいる。大切なのは客観性だ。
明色化粧品の企画マーケティング部マネージャーの斉藤舞さん(27)は、担当したヘアウオーターをソムリエールの評価にかけ、香りを何度も改良して23年4月に発売した。その結果、発売直後に口コミサイトで1位を獲得し、一時店頭で品薄になるほどのヒット商品になった。