今回の再挑戦シリーズで取り上げた「N BOX」は、ダイハツ工業の「タント」が切り開き、スズキが「パレット」で追随したスーパーハイトワゴンと呼ばれるカテゴリー。あのホンダが他社に追随した?
7日付の(下)に登場する峯川尚常務執行役員に問うたところ「『N BOX』はホンダに欠落していたカテゴリー。(追随は)仕方がない。ただ、ホンダらしいものができた。ホンダに対するお客さまの期待は特別なものがある」との答えが返ってきた。シェアが4位まで落ちた軽事業を立て直すには、追随が不可欠だったわけだが、これはホンダの“変節”なのか。
私は“進化”をみた思いがした。独創性を重んじた尖(とが)った商品がホンダの持ち味であることは言うまでもない。今後もガンガンやっていただきたい。それに加え、ライバルから学ぶ姿勢も身につけたホンダは、これまで以上に他社にとって手ごわい存在になるはずだ。
「アベノミクス」への期待もあって、日本全体が今、再挑戦に向かう土壌ができつつある。ホンダのように、一皮むけた企業の登場を期待している。(副編集長 小熊敦郎)