JTB西日本は「団塊世代の完全退職が進み、時間と資金の面で比較的余裕のあるシニア層を取り込みたい」としている。
60~65歳の団塊世代を中心とする「アクティブシニア」は趣味など興味のあることへの投資に積極的なケースが多いとされ、さまざまなサービス業で新しい消費のリーダーとみられている。
このため、旅行各社はテーマ性や特別感を持たせた商品で需要の取り込みを急いでおり、チケットがとりにくいクラシックコンサートや、特別許可が必要な場所から世界的な建築物を鑑賞するプランなど独自の企画を競っている。阪急交通社は、クルーズ旅行を強化し、「長期間旅行しやすいシニア層をメーンに販売を強化し、クルーズツアーだけで前年比60%増を狙う」(広報部)と意気込む。
ただ、「シニアを強調すると、団塊の世代の多くが拒絶する」(大手旅行会社幹部)傾向もあるといい、今後は営業での一段の工夫も求められそうだ。