ADSLの加入数は03年末に1000万回線とピークを迎えたが、その後減少が続き、12年6月末には634万回線。フレッツ・ADSL対象の乗り換えキャンペーンの効果について聞かれた中川副社長は「それなりには」と言葉を濁したが、証券アナリストが「効果は期待値には達しなかったようだ」と指摘するように、自社サービス内の囲い込みという“守り”には限界があった。
そこで、競合他社からの顧客争奪という“攻め”に転じたのが今回の動きの核心だ。だが、ソフトバンクやKDDIは「注視はするが、脅威ではない」(KDDI)と静観する構えをみせている。
なぜか。フレッツ光の代理店となっているソフトバンクは同じ割引キャンペーンで自社のADSL加入者の囲い込みに走るのは確実。しかも、フレッツ光のオプションサービスであるIP電話をNTT東西より安く提供する準備を進めている。