「光サービスの需要を切り開いてきたのは私たちなんです」。NTT東の中川裕副社長は22日の記者会見後、強い自負をにじませた。
「思いっきり割」は、フレッツ光の月額利用料を、戸建ての場合で通常価格の5460円から3780円に24カ月間割り引く。単純計算すると30%を超える大幅割引だが、実は「収益に大きな影響はない」(中川副社長)。
理由は、新たな持ち出しがほとんどないからだ。割引額の内訳は、すでに実施している「にねん割」の735円と「フレッツ・ADSL→光 乗りかえセール」の945円を、「思いっきり割」に名称変更して両方を合算したもの。つまり、割引の新たな積み増しは行わず対象を広げたのが、「思いっきり割」の実体といえる。
自社のADSL(非対称デジタル加入者線)からフレッツ光への乗り換えだけに適用していた割引料金を、他社のADSLからの乗り換えにも適用する。それはとりもなおさず、ソフトバンクやイー・アクセスのADSL利用者もフレッツ光に呼び込もうとする戦略だ。