失敗に学ぶトヨタ75年の歴史 ヒットにつながる情熱のものづくり (1/4ページ)

2012.11.24 10:15

4代目クラウン。「クジラ」の愛称も付いたが、先進的なデザインから販売は伸び悩んだ=愛知県長久手市(内山智彦撮影)

4代目クラウン。「クジラ」の愛称も付いたが、先進的なデザインから販売は伸び悩んだ=愛知県長久手市(内山智彦撮影)【拡大】

 11月に創立75年を迎えたトヨタ自動車。クルマづくりの歴史をたどると、一大ブームを巻き起こした名車の陰には不発に泣いたクルマも少なくない。今年は2年ぶりに販売台数で世界首位を確実にしつつあるトヨタも、決して“常勝”集団ではなく失敗を糧に成長してきたことが分かる。

 大衆車 初代は不発

 愛知県長久手市。トヨタの創立50周年記念事業の一環として建設された自動車博物館「トヨタ博物館」では今、特別企画展「TOYOTA75」(会期は来年4月14日まで)が開催されており、75年を彩った名車や失敗作など約50台が展示されている。

 トヨタといえば、「カローラ」。国内新車販売台数で昭和44年から平成13年まで33年連続1位、累計生産台数は4千万台弱、世界で最も広範囲に販売されているクルマとしてギネスブックの認定を受けるなど、輝かしい歴史をもつクルマだ。この名車が生まれたきっかけは、昭和36年に発売された「パブリカ」の失敗にあった。

初めて買うクルマに夢を求めた大衆のニーズと合わず

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