評価を高めつつある章男氏
創業家出身という“色眼鏡”を外しても、章男氏を評価する声は増え始めている。トヨタグループの労組首脳は「リーマン・ショックが終わり、これからというときに品質問題、震災が発生し、苦労の連続だったが、先頭に立って乗り切った。グループのトップとして、難局を乗り切るかじ取りをやっていただけている」と絶賛する。
銀行系アナリストは「世の中が一時、EV(電気自動車)ブームになったころでも、HV(ハイブリッド車)に勢力を傾注した。一種の賭けだったが、今のところ勝っており見事」としながらも、「大きな果実をまだ取れ切っていない。なかでも縮小する国内市場において需要をどう喚起していくのか」と話す。
有事を乗り越え、経営者としての評価を高めつつある章男氏。今後は業界の課題をどのようにクリアしていくかに注目が集まる。(島田耕)