評価高まる“トヨタのプリンス” 震災、洪水、反日…度重なる難題乗り越え成長 (1/4ページ)

2012.11.3 07:10

平成24年3月期連結業績を発表するトヨタ自動車の豊田章男社長=5月9日、東京都文京区(三尾郁恵撮影)

平成24年3月期連結業績を発表するトヨタ自動車の豊田章男社長=5月9日、東京都文京区(三尾郁恵撮影)【拡大】

 “名経営者”の階段

 トヨタ自動車は5日、平成24年4~9月連結決算を発表する。中国販売の低迷で業績の下振れが予想されるが、それでも北米、東南アジアなどは好調で通期の営業利益は5年ぶりの1兆円が期待されている。

 豊田章男社長がトップに就任して3年あまり。この間、品質問題、東日本大震災、タイの洪水、中国の反日デモ…と難題が相次ぐが、関係者は「章男氏は難局を切り抜けるたびに実力をつけている」と評価。逆風にもまれ、トヨタの御曹司は“名経営者”の階段をのぼり始めたのか…。

 章男氏は、トヨタの創業者、豊田喜一郎氏の孫。父親の豊田章一郎氏はトヨタの社長、会長をつとめたほか、経団連会長をはじめ業界の要職を歴任した。章男氏は、まさに“トヨタのプリンス”として21年6月に社長に上り詰めた。

 創業家出身のプリンス

 「本当にクルマが好きな人」。章男氏が社長に就任する前、人物評をたずねると、複数のトヨタ関係者は異口同音にこう話した。

「ただのクルマ好き、ただのモータースポーツ好き」

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