“名経営者”の階段
トヨタ自動車は5日、平成24年4~9月連結決算を発表する。中国販売の低迷で業績の下振れが予想されるが、それでも北米、東南アジアなどは好調で通期の営業利益は5年ぶりの1兆円が期待されている。
豊田章男社長がトップに就任して3年あまり。この間、品質問題、東日本大震災、タイの洪水、中国の反日デモ…と難題が相次ぐが、関係者は「章男氏は難局を切り抜けるたびに実力をつけている」と評価。逆風にもまれ、トヨタの御曹司は“名経営者”の階段をのぼり始めたのか…。
章男氏は、トヨタの創業者、豊田喜一郎氏の孫。父親の豊田章一郎氏はトヨタの社長、会長をつとめたほか、経団連会長をはじめ業界の要職を歴任した。章男氏は、まさに“トヨタのプリンス”として21年6月に社長に上り詰めた。
創業家出身のプリンス
「本当にクルマが好きな人」。章男氏が社長に就任する前、人物評をたずねると、複数のトヨタ関係者は異口同音にこう話した。