法林氏は、「auはiPhone5のサービス開始にあたりこれまでほとんど使っていなかった周波数帯にLTEを導入したので、都内、特に山手線の内側でも余裕があるが、ソフトバンクは相当混雑している。また、auはピコセルと呼ばれる小さな基地局も整備して基地局間の受け渡しもスムーズ」と話す。
さらに、ソフトバンクがイー・アクセスのLTEを使うには、ソフトバンクのネットワークと接続する必要があり、「ハンドオーバー(基地局の切り替え)を含めて違う通信会社のネットワークをつなぎあわせるので、調整にも時間がかかり利用できるようになるのは数カ月かかる」(法林氏)ため、早くても来春以降になりそうだ。
ネットワーク品質や速度強化は、ユーザーには重要なポイント。KDDIはソフトバンクよりも以前から緻密なネットワークを構築しており、通信会社としての設備力や技術ノウハウという点からも、iPhone5はauの方が優位といえそうだ。
秋からは、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクともにLTE搭載携帯端末の発売を控えており、携帯電話会社のサービス品質競争の舞台が、LTEにシフトしていくことは間違いない。各社のネットワーク戦略にますます注目が集まる。