【フォーカス】バンダイナムコ(上)
国内最大手の玩具メーカー、バンダイナムコホールディングス(HD)が分岐点にさしかかっている。
2005年9月のバンダイとナムコの経営統合から7年。「仮面ライダー」や「ワンピース」「プリキュア」など数々の人気キャラクターの商品化を核に足元の業績は堅調だが、この間の営業利益は統合当初の水準を下回ったまま。
「本来の力が発揮しきれていない」とみる石川祝男社長が打ち出した今年度からの新中期計画で、“原点超え”の利益成長に歩みを進めることができるのか、統合の真価が問われている。
「なぜ無料で流れているんだ」「本物の映像はこんなにきれいなのか」
中国のネット掲示板に昨年、こんな「驚き」の書き込みが殺到し、話題が沸騰した日本発のコンテンツがある。バンダイナムコHD傘下の事業会社、バンダイが運営する人気アニメ「機動戦士ガンダム」の公式情報サイトで配信された最新テレビシリーズ「ガンダムAGE」だ。
ガンダムはバンダイナムコのキャラクター商品の稼ぎ頭で、2012年3月期の関連収入は447億円と、連結総売上高の約1割を占めた。