--システムの低燃費効果は
「もともとアイドリング用モーターは発電機能を備えていたが、ハイブリッド用モーターは最大出力を1・0キロワットから1・8キロワットに強化した。これにより減速時にエネルギーを電気として回生する発電量を増やすとともに、鉛畜電池を2個にしたことで、回生した電気をためやすくした。蓄えた電気を、アイドリング頻度の増加や発進加速時のエンジンアシスト、電装品などに使用することで、ガソリン1リットル当たり15・2キロ走行と、従来より約7%燃費性能を向上した」
--日産が前輪駆動車でHVを導入したのは初めてだが、セレナを選んだのは
「ミニバンに関心の高い顧客は、小さい子供を持つ家族が多く、室内の広さや使い勝手などを見極めて購入車種を決める。また、子育てで出費がかさむ状況から考えれば、燃費性能が購入の重要な要素になってくる。セレナの売りは、室内の広さと使い勝手の良さで、広く家族層に受入れられてきた。こうした長所を消さずに、燃費を改善する手段としてHVの導入を決めた。セレナのハイブリッドシステムは、トヨタ自動車の『プリウス』のように回生してためた電気で、モーター駆動はしない。それ以上に、減速時に捨てられていたエネルギーをいかに有効に回収し、燃料消費を抑えるかに焦点を絞ったシステムといっていいだろう」