日産自動車が1日発表したミニバン「セレナ」のハイブリッド車(HV)「セレナ S-HYBRID(ハイブリッド)」は、広い室内空間や使い勝手の良さという特徴はそのままに、ガソリン1リットル当たり15・2キロ走行と、排気量2リットルクラスの8人乗りミニバンでトップの燃費性能を達成した。その中核技術が、独自開発した簡易型ハイブリッドシステムだ。商品企画責任者である商品企画本部商品企画室の角智彰セグメント・チーフ・プロダクト・スペシャリストに、最量販ミニバンにHVを導入した狙いについて聞いた。
--セレナのハイブリッドシステムの特徴は
「セレナの使い勝手を損なわずに、燃費性能の向上を両立させた点だ。一般的にハイブリッドシステムは、蓄電池が大きいため、座席下などエンジンルーム外に設置する必要があり、室内空間の広さに影響を与えるケースが多かった。一方、セレナは、システムのモーターと鉛畜電池をエンジンルームに収めたことで、顧客から好評を得てきた広い室内空間や、豊富なシートアレンジなど使い勝手の良さをそのまま維持することができた。一方、燃費性能向上は、従来の信号待ちなどでエンジンが自動停止するアイドリングストップ機構用モーターの大型化と、鉛蓄電池の増量で実現した」