日本のファミリーカーの代名詞とされるトヨタ自動車の小型車「カローラ」。世界累計販売4000万台を目前に、6年ぶりとなる全面改良の11代目を先月発売した。初めてダウンサイジングに取り組むなど、これまでと大きく異なったクルマづくりに乗り出している。その狙いを開発責任者である製品企画本部の藤田博也・チーフエンジニアに聞いた。
--新しいカローラのコンセプトは
「カローラが本来持つ大人4人が快適に、そして安心して長距離を移動できるミニマムサイズのクルマという原点に返ろうとした。10代目は、初代の『クラウン』よりも大きくなっていた。これでは自宅の車庫のスペースや、場合によっては立体駐車場に入らないなど、日本の日常利用のサイズからはあっているとは言い難く、今回、初めてカローラとしては小型化した」
--そもそも大型化してきたのは
「カローラユーザーは、リピーターが多く、顧客ニーズを反映させ、その要望を次々に取り入れてきたなかで、機能を追加してきた結果だ。また、カローラのグローバル展開の中で、大型化した側面もある」
--今回のカローラの改良・変更点は
「まず、プラットホームを、これまでのカローラよりも小型の「ヴィッツ」やハイブリッド車(HV)「アクア」のものをベースにした。これによって全長はセダンの『アクシオ』で10代目よりも50ミリ、ワゴンの『フィールダー』で60ミリ短くした。これで、最小回転半径は4・9メートルで、これまでの5・1メートルよりも短くなり、狭い道や車庫入れの際に運転がしやすくなっている」
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