カシオ新製品は「世界初」! 3つの時刻修正技術搭載、地球上どこでも正確な時計

 
「世界初」のシステムを搭載した2機種。航空コンセプトのG-SHOCK(左)と、陶磁器の「釉溜(ゆうだ)まり」をコンセプトにしたオシアナス

 「カシオ」地球上どこでも正確な時計

 時を刻む。正確に、地球上のどこででも-。こんな世界初の腕時計が注目されている。ポイントは、3つの時刻修正技術を搭載し、補完し合う仕組み。腕時計の技術は主にこの半世紀、“秒進分歩”の進歩を遂げているが、今回の新製品もその大きな一歩といえそうだ。

 開発・販売したのは、カシオ計算機。従来、衛星利用測位システム(GPS)と標準電波の両受信機能を搭載したモデルは商品化しているが、今回、近距離無線通信技術「ブルートゥース」を新たに加えた。

 同技術はスマートフォンを介し、インターネット上の時刻管理サーバーから直接、時刻を取得。サマータイムやタイムゾーンの情報も自動で更新でき、時計はいつでも正確だという。

 「3つの技術が1つの時計に収まるのは世界初。スマホが接続できない場合は標準電波、どちらも接続不能の際にはGPSと、内蔵されたコンピューターが判断して最適な方法で時刻を取得しにいく」と、開発に携わった同社時計事業部・モジュール開発部の長谷川良行さんは話す。

 「弊社の時計づくりの歴史は、精度と使い勝手を求め続けてきた年月といえます。今回の“テーマ”は『絶対精度の追求、その先へ』。(時計に付いた)ボタンをワンプッシュすれば、地球上どこにいても正確な時刻を得ることができます」

 対象の機種は「G-SHOCK」GPW-2000(今年5月発売)と、「OCEANUS(オシアナス)」OCW-G2000C(同6月発売)だ。専用アプリとの連動でサブダイヤルに表示するワールドタイムを約300都市から選択でき、G-SHOCKの同機種ならアラームやタイマー設定がスマホ上で簡単にできる上、移動の軌跡をアプリ上で確認する楽しさも。

 購入者からは「時計の新しさを感じる」「使ってみたら簡単で便利」などの反響があるという。

 長谷川さんは「今回は、ボタン操作もありますが、目指すのは完全自動時計。全世界でフルオートな時計の開発を進めていき、デザインをはじめブランドを磨くことにもこだわり続けたいですね」と語っている。(産経新聞社 川村達哉)