グーグルAI、日本語対応開始 LINEは今夏 各社、アマゾンに先行
米グーグル日本法人は29日、話しかけるだけでスマートフォンアプリの操作などができる会話型人工知能(AI)「グーグルアシスタント」の日本語対応を始めた。当初はグーグルのアンドロイドのスマホで利用できるが、年内発売予定のAIスピーカー「グーグルホーム」にも搭載される。AIスピーカーは、LINEも今夏の発売を発表。米国で圧倒的シェアを持つアマゾン・ドット・コムの国内発売を前に、先行する動きが活発化している。
グーグルアシスタントは、アンドロイドのバージョン「6.0」と「7.0」搭載のスマホに自動的に導入される。「頼りになる上司は?」など雑談にも対応し、より自然な会話になるよう学習して性能を高めるという。
グーグルは今後、スピーカーのほか自動車や家電などさまざまな機器にグーグルアシスタントを導入することを検討している。グーグル日本法人の徳生裕人製品開発本部長は「アシスタントはまだ完璧ではないが大きな第一歩。グーグル以外との連携や成長を見ていただきたい」と意気込んだ。
国内企業の会話型AIをめぐっては、NTTドコモが2012年からスマホに「しゃべってコンシェル」を導入しており、搭載スピーカーも開発中だ。ソフトバンクとヤフーも、ショッピングサイトで商品購入ができる機器を開発している。LINEは親会社の韓国IT大手ネイバーと開発したAI「クローバ」を搭載したスピーカー「ウェーブ」を今夏に発売する。各社は音声入力するAI搭載機器の開発を「スマホの次」の主要事業とみて、力を入れている。
一方、各社が動向に注目するのが米アマゾンだ。国内発売時期は未定だが、14年に発売した米国では、すでに800万台超を販売。宅配ピザの注文やテレビなど家電の操作もできるため、急速に普及が進んでいる。
日本では、米国に比べて公共交通機関が発達していることなどから、スマホなどに話しかけることが一般的ではない。グーグルによれば、音声による検索も米国が2割なのに対して、日本はそれを下回るという。主語が省略されやすいなどの文法的な対応の困難さもあり、どこまで国内で音声端末が根付くかは、連携サービスの充実が鍵となりそうだ。
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■国内発売予定の主なAIスピーカー(搭載するAI/AIスピーカー)
・米グーグル グーグルアシスタント/グーグルホーム
・米アマゾン・ドット・コム アレクサ/エコー
・LINE クローバ/ウェーブ
・NTTドコモ しゃべってコンシェル(仮称)/未定
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