サイバーエージェントとテレビ朝日が共同で運営するインターネットテレビ「Abema(アベマ)TV」が視聴者を増やしている。7日の特番では、視聴された回数が延べ1420万回に上り、昨春の開局以来、最高を更新した。一般的なテレビ放送のように常時、番組を流しており、特番は格闘技を生中継。結果を知りたい多くの視聴者を引きつけた。ただ、最も盛り上がる時間帯にサーバーがダウンし、リアルタイム配信の課題も鮮明にした。
アベマTVはスマートフォンのアプリとして1600万ダウンロードを突破。7日には、1周年を記念したオリジナル番組を生中継で配信した。元プロの亀田興毅氏が、腕自慢の素人4人と連続してボクシングの試合を行い、KO勝ちした挑戦者には1000万円が与えられるという内容だった。
これまで最高だった番組の約4倍の視聴数となり、同時に接続する利用者が想定以上に多かったため、1人目の挑戦者との対戦が始まる直前にサーバーがダウン。復旧まで1時間近くかかった。アベマTVは、米動画配信大手ネットフリックスなどが採用し、動画配信で主流のビデオ・オン・デマンド(VOD)方式ではなく、リアルタイムで配信している。
サイバーエージェントの2017年3月中間連結決算は、アベマTVなどのメディア事業の赤字により、約4割の営業減益だった。藤田晋社長は「中長期的に育てるために先行投資している」と強気で、収益化の成否に注目が集まっている。